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第15話 悪女ですから

Author: 酔夫人
last update publish date: 2026-07-05 11:01:00

――そうか。

それは納得するような声音だったが、樹が黙ってしまったことに小春は気まずくなる。

「冷酷、と恐れられていてもか?」

小春は少し困ったように笑う。

そんなことはないと否定することは簡単だ。

実際に小春は樹を冷酷などと思っていない。

(先ほどの男性だって……)

冷酷だと思っているなら恐れ、相談などしないだろう。

でも。

(冷酷だと感じる人もいるだろう)

感じ方は人それぞれ。

小春は病院でそれを見てきた。

ある先生に命を助けられた人は名医と称え、同じ先生に助けてもらえなかった人はヤブ医者と貶められる。

淡々とした話し方を冷たいという人もいれば、理路整然で分かりやすいという人もいる。

(樹さんの“冷酷”と言うのは……)

小春は樹の顔を見る。

とても整った顔立ちで、美形だ。

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